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「夏も近づく八十八夜」という歌い出しを聞いたことがある人は多いでしょう。新茶の季節になると、お茶屋さんでも「八十八夜」の文字を見かけます。では、八十八夜とはいつのことで、お茶とどんな関係があるのでしょうか。
この記事では、国立天文台暦計算室の「暦Wiki 雑節とは?」「こよみ用語解説 二十四節気」「令和8年(2026)暦要項 二十四節気および雑節」と、農林水産省の広報誌aff(2022年4月号)の「茶畑から美味しいお茶が届くまで」をもとに、八十八夜の意味と一番茶の季節を5つのポイントにまとめます。後半の、新茶の季節を楽しむ工夫は、この記事の提案です。
※日付や茶摘みの時期は、年や地域、品種によって異なります。各年の日付は国立天文台の暦要項で、産地の情報は各産地の案内で確かめてください。
八十八夜とは
立春から数えて88日目
国立天文台暦計算室の「こよみ用語解説」では、八十八夜は雑節の一つで、立春から数えて88日目とされ、説明には「晩霜への注意」と書かれています。
雑節とは
同じページでは、二十四節気を補う季節の目印が雑節だと説明されています。雑節には、土用、節分、彼岸、八十八夜、入梅、半夏生、二百十日などがあります。
5月2日ごろ
暦Wikiの「雑節とは?」では、八十八夜は立春から数えて88日目、5月2日ごろとされています。令和8年(2026)の暦要項でも、八十八夜は5月2日と示されています。
八十八夜と一番茶の5つのポイント
ここでは、国立天文台と農林水産省の資料から、八十八夜とお茶について押さえておきたい点を5つにまとめます。
1. 霜の季節の終わりを告げる
暦Wikiでは、「八十八夜の別れ霜」のように、八十八夜は霜の季節の終わり、晩霜への注意を告げるものと説明されています。
2. 日本独自の暦注
暦Wikiでは、八十八夜は日本独自の暦注で、渋川春海は貞享改暦の際に一度削除したものの、伊勢の船長の訴えを採り入れて復活させたと紹介されています。
3. 一番茶の最盛期のころ
農林水産省のaffでは、一番茶を摘む4月中下旬ごろから5月上旬ごろは茶畑の最盛期で、文部省唱歌「茶摘」で歌われる「夏も近づく八十八夜」もこのころだと紹介されています。
4. 一番茶は新茶とも呼ばれる
affでは、地域や品種によって茶摘みの回数や時期は少しずつ異なるものの、その年の最初に生育した新芽を摘みとってつくられたお茶は、一番茶や新茶と呼ばれていると説明されています。
5. 霜への対応も大切な作業
affでは、新茶の摘み取りまでには、土づくりや茶樹の管理、霜などの被害への対応といった、さまざまな作業が行われてきたと説明されています。八十八夜が晩霜への注意を告げる日であることと、あわせて知っておきたい点です。
5つのポイントの早見表
| ポイント | 資料での説明 |
|---|---|
| 意味 | 立春から数えて88日目、晩霜への注意 |
| 由来 | 日本独自の暦注、貞享改暦で一度削除され復活 |
| 一番茶 | 4月中下旬〜5月上旬が最盛期 |
| 新茶 | その年の最初の新芽からつくるお茶 |
| 霜 | 摘み取りまでに霜などへの対応も行う |
表は、国立天文台暦計算室の暦Wiki・用語解説と、農林水産省のaffにもとづきます。
2026年の雑節の日付
暦要項の雑節
国立天文台の令和8年(2026)暦要項では、雑節の日付が次のように示されています。
| 雑節 | 2026年の日付 |
|---|---|
| 節分 | 2月3日 |
| 彼岸(春) | 3月17日 |
| 八十八夜 | 5月2日 |
| 入梅 | 6月11日 |
| 半夏生 | 7月2日 |
| 二百十日 | 9月1日 |
| 彼岸(秋) | 9月20日 |
立春の日付から数える
同じ暦要項では、2026年の立春は2月4日とされています。立春を1日目として数えると、88日目が5月2日になります。
二百十日も立春から
用語解説では、二百十日も立春から数えて210日目とされ、嵐の多い季節と説明されています。八十八夜と同じく、立春を起点に数える雑節です。
一番茶から三番茶まで
一芯二葉摘み
affでは、手摘みは、先端の芽と小さな2枚の葉のみを摘む「一芯二葉摘み」が代表的な摘み方と紹介されています。シーズンの始めに手摘みで収穫される「大走り」は特に希少価値が高く、縁起物とされていると説明されています。
二番茶
affでは、6月中旬から7月上旬にかけて、一番茶を摘んだ部分から伸びてきた次の芽を収穫してつくるお茶を二番茶というと説明されています。
三番茶
7月下旬から8月上旬にかけては三番茶の季節で、夏の強い紫外線を浴びて育つためカテキンを多く含み、苦みや渋みが強い葉が採れると紹介されています。二番茶や三番茶は、ほうじ茶の原料のほか、ペットボトル飲料や粉末茶の原料としても使われると説明されています。
| 季節 | 時期の目安(affで紹介された茶園の例) |
|---|---|
| 一番茶 | 4月中下旬〜5月上旬 |
| 二番茶 | 6月中旬〜7月上旬 |
| 三番茶 | 7月下旬〜8月上旬 |
摘んだ茶葉がお茶になるまで
荒茶
affでは、茶園で摘まれた茶葉を、蒸して揉んだ後、乾燥させたものを「荒茶」と呼ぶと説明されています。
仕上げ茶
荒茶の段階では、まだ形や大きさも不揃いで、茎なども混じっているため、その後、形や大きさを均一に整える仕上げ工程によって「仕上げ茶」を作ると説明されています。
新茶は時間との戦い
affでは、新芽の季節は短く、おいしいうちに摘みきるために、生産者は日の出と共に畑作業を始めると紹介されています。収穫は新芽の成長と時間との戦いでもあるため、摘採機も活用しながら茶摘みが行われるとされています。
ほかの雑節の意味
国立天文台暦計算室の「こよみ用語解説」では、八十八夜のほかの雑節についても説明されています。お茶の季節と一緒に知っておくと、1年の流れがつかみやすくなります。
土用
土用は、立春・立夏・立秋・立冬の前約18日間とされ、暦面には土用の入りが示されていると説明されています。2026年の暦要項では、春の土用の入りは4月17日とされています。八十八夜は、この春の土用の期間中にあたります。
節分と彼岸
節分は立春の前日で、季節の分かれめのことで、もとは四季それぞれにあったと説明されています。彼岸は、春分または秋分の前3日から後3日まで、それぞれ計7日間とされています。
入梅と半夏生
入梅は夏至の約10日前で梅雨の季節、半夏生は夏至の約10日後で田植えを終える目安と説明されています。二番茶の季節は、このころと重なります。
| 雑節 | 用語解説での説明 |
|---|---|
| 土用 | 立春・立夏・立秋・立冬の前約18日間 |
| 節分 | 立春の前日 |
| 彼岸 | 春分・秋分の前後3日を含む計7日間 |
| 八十八夜 | 立春から数えて88日目、晩霜への注意 |
| 入梅 | 夏至の約10日前、梅雨の季節 |
| 半夏生 | 夏至の約10日後、田植えを終える目安 |
| 二百十日 | 立春から数えて210日目、嵐の多い季節 |
八十八夜と立夏
2026年の暦要項では、立夏は5月5日とされています。八十八夜の5月2日は立夏の少し前で、「夏も近づく」という歌詞の季節感とも重なります。
茶畑の1年
摘み取りは年に数回
affで紹介されている静岡県掛川市の茶園では、茶摘みの時期は年間4回ほどあると説明されています。地域や品種によって、茶摘みの回数や時期は少しずつ異なるとされています。
樹を整える作業
affでは、年間を通して、生育状況を見極めながら茶樹の枝を整えたり、深く刈り落したりして樹勢を回復させると紹介されています。
長く収穫するために
affでは、苗を植えた5年後から茶の収穫ができ、こまめに手を掛けることで、20年から30年もの長い年月にわたって茶葉を収穫できるようになると紹介されています。
八十八夜を調べるときの資料
国立天文台の暦要項
国立天文台暦計算室では、毎年の暦要項で、二十四節気や雑節の日付を公表しています。八十八夜の日付を確かめたいときは、その年の暦要項を見るのが確実です。
こよみ用語解説と暦Wiki
雑節の意味や由来を知りたいときは、同じ暦計算室の「こよみ用語解説」や「暦Wiki」が参考になります。この記事で紹介した「別れ霜」や渋川春海の話も、暦Wikiに書かれています。
農林水産省のお茶のページ
お茶の生産や茶畑の1年については、農林水産省のお茶のページや広報誌affで紹介されています。統計や情勢の資料も公開されているので、より詳しく知りたい人は確かめてみてください。
| 知りたいこと | 資料 |
|---|---|
| 八十八夜の日付 | 国立天文台 暦要項 |
| 雑節の意味 | こよみ用語解説 |
| 八十八夜の由来 | 暦Wiki 雑節とは? |
| 茶畑の1年 | 農林水産省 aff |
新茶の季節を楽しむ工夫
ここからは、国立天文台と農林水産省の資料をもとにした、この記事の提案です。
暦要項で日付を確かめる
八十八夜の日付は年によって変わることがあるので、国立天文台の暦要項で確かめておくと、新茶の季節の予定が立てやすくなります。
産地の行事を調べる
農林水産省のページでは、各地の八十八夜の行事や茶摘み体験が紹介されたこともあります。出かける前に、産地の観光協会などの案内で開催の有無を確かめましょう。
季節の言葉を添えて贈る
新茶を贈るときは、「八十八夜」や「別れ霜」など、暦Wikiで紹介されている季節の言葉をメッセージに添えると、季節感が伝わりやすくなります。
一番茶と二番茶を飲み比べる
一番茶、二番茶、ほうじ茶など、季節や原料の違うお茶を並べて飲み比べると、茶畑の1年を味で感じられるかもしれません。
八十八夜のよくある質問
八十八夜は毎年5月2日?
暦Wikiでは5月2日ごろとされています。年によって変わることがあるので、各年の暦要項で確かめましょう。
「茶摘」の歌は?
affでは、文部省唱歌「茶摘」で歌われる「夏も近づく八十八夜」が紹介されています。
「別れ霜」とは?
暦Wikiでは、「八十八夜の別れ霜」のように、八十八夜は霜の季節の終わり、晩霜への注意を告げるものと説明されています。霜の季節がそろそろ終わるころ、という意味合いで使われる言葉です。
八十八夜を復活させたのは誰?
暦Wikiでは、渋川春海が貞享改暦の際に一度削除したものの、伊勢の船長の訴えを採り入れて復活させたと紹介されています。
カテキンが多いのはどのお茶?
affでは、三番茶は夏の強い紫外線を浴びて育つためカテキンを多く含み、苦みや渋みが強い葉が採れると紹介されています。
新茶と一番茶は同じ?
affでは、その年の最初に生育した新芽を摘みとりつくられたお茶は、一番茶や新茶と呼ばれていると説明されています。
八十八夜を知って新茶の季節を味わおう
八十八夜は、立春から数えて88日目の雑節で、晩霜への注意を告げる日です。2026年は5月2日で、このころは一番茶を摘む茶畑の最盛期にあたります。新茶はその年の最初の新芽からつくられ、二番茶、三番茶と季節が続きます。暦を確かめて、新茶の季節を楽しみましょう。