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抹茶はよく飲むけれど、その原料になる「碾茶(てんちゃ)」という言葉は、あまり聞きなれないかもしれません。抹茶は緑茶の葉をそのまま粉にしたもの、と思われがちですが、実は粉にする前の茶葉の段階から、育て方も作り方も少し特別なんです。
この記事では、南九州市の知覧茶ブランドサイトや、日本茶業中央会の定義を紹介する茶業者のページの「碾茶(てんちゃ)」の解説をもとに、抹茶の原料になる碾茶について5つのポイントで整理します。後半の、碾茶や抹茶を選ぶときの見方は、この記事の提案です。
※この記事は、2026年10月時点で南九州市の知覧茶ブランドサイトや、日本茶業中央会の定義を紹介する茶業者のページに掲載されている内容をもとにしています。製法の細かな部分は、産地や作り手によって違うことがあります。気になる商品は、販売元の説明もあわせて確かめてください。
この記事でわかることは、次のとおりです。
- 碾茶 5つのポイント
- 碾茶や抹茶を選ぶときの見方
- 家で抹茶を点ててみるときのコツ
- 碾茶や抹茶の保存で気をつけたいこと
碾茶とはどんなお茶?
抹茶の原料になる茶葉
南九州市の知覧茶ブランドサイトでは、碾茶とは抹茶の原料となる茶葉だと説明されています。碾茶を茶臼で挽いて微粉状にしたものが抹茶になると書かれています。
覆いをして育てた新芽
新芽を藁やよしず、コモ、寒冷紗などの被覆資材で3週間程度覆って栽培した茶葉を蒸し、揉まずに碾茶炉などで乾燥させて作ったお茶のことを碾茶と言う、と紹介されています。
業界団体による定義
伊勢抹茶のページでは、公益社団法人日本茶業中央会の緑茶表示適正化推進員会による定義(2018年7月10日)として、摘採期前に茶園をよしず、コモ、寒冷紗などで2〜3週間程度覆った「覆下茶園」から摘んだ茶葉を蒸熱し、揉まないで碾茶炉などで乾燥させたもの、という説明が紹介されています。
字の意味
「碾」という字には、うすでひく、という意味があります。挽いて抹茶にするためのお茶、という役割が名前にも表れているんですね。
| 項目 | 碾茶の特徴 |
|---|---|
| 栽培 | 新芽を2〜3週間程度覆って育てる |
| 製造 | 蒸して、揉まずに乾燥させる |
| 乾燥 | 碾茶炉などで乾燥 |
| 用途 | 茶臼で挽いて抹茶にする |
碾茶 5つのポイント
1. 摘む前に日差しをさえぎる
碾茶は、摘採の前に茶園を被覆資材で覆って育てます。伊勢抹茶のページでは、強い日差しが当たらないように育てると、日が当たって育った茶葉よりもうまみの多い柔らかな新芽に育つと説明されています。
2. 蒸して酸化を止める
覆下茶園から摘み取った生葉は、蒸気で蒸して酸化を止めると書かれています。ここまでは、煎茶や玉露とも共通する考え方です。
3. 揉まない
碾茶のいちばんの特徴は、茶葉を揉まないことです。煎茶や玉露は揉みながら乾かして細く撚れた形になりますが、碾茶は揉まずに平たいまま乾燥させます。
4. 散茶で葉をほぐす
伊勢抹茶のページでは、碾茶は揉まずに「散茶」という工程を経ると説明されています。蒸した生葉を風で吹き上げながら冷まし、蒸し露を取り、葉の重なりをほぐすと書かれています。
5. 茎や葉脈を取り除く
れんが造りの乾燥炉で高温で乾かした「荒碾茶」から、茎や葉脈を取り除き、石臼で挽きやすい大きさに形をそろえて碾茶ができあがると紹介されています。
5つのポイント早見表
| ポイント | 南九州市の知覧茶ブランドサイトや、日本茶業中央会の定義を紹介する茶業者のページの案内 |
|---|---|
| 摘む前に日差しをさえぎる | 2〜3週間程度の被覆 |
| 蒸して酸化を止める | 蒸気で蒸す |
| 揉まない | 揉まずに乾燥 |
| 散茶で葉をほぐす | 風で冷まして葉をほぐす |
| 茎や葉脈を取り除く | 荒碾茶から茎と葉脈を除く |
玉露と碾茶はどこが違う?
どちらも覆いをして育てる
玉露も碾茶も、日差しをさえぎって育てた茶葉を使う点は似ています。うまみの多い柔らかな芽を育てるための工夫です。
分かれ道は揉むかどうか
伊勢抹茶のページでは、玉露は煎茶と同じような段階を経て製茶していくのに対して、碾茶は茶葉を揉まずに散茶の工程を経ると説明されています。ここで、玉露と碾茶の大きな違いが生まれるとされています。
飲み方の違い
玉露は急須で淹れて飲むお茶、碾茶は基本的に挽いて抹茶にするためのお茶です。同じように覆いをして育てても、最後の形と楽しみ方が違うんですね。
| くらべる点 | 玉露 | 碾茶 |
|---|---|---|
| 栽培 | 覆いをして育てる | 覆いをして育てる |
| 揉む工程 | 揉む | 揉まない |
| できあがりの形 | 細く撚れた茶葉 | 平たい茶葉 |
| 主な楽しみ方 | 急須で淹れる | 挽いて抹茶にする |
碾茶から抹茶ができるまで
碾茶を挽いて抹茶に
碾茶を茶臼で挽いて微粉状にしたものが抹茶になる、と知覧茶ブランドサイトでは説明されています。粉にする前の碾茶が、抹茶の香りや色のもとになります。
茎や葉脈を除く理由
荒碾茶から茎や葉脈を取り除くのは、石臼で挽きやすい大きさに形をそろえるためだと説明されています。なめらかな抹茶にするための、ていねいな下ごしらえなんですね。
手間ひまのかかるお茶
伊勢抹茶のページでは、覆いをして育てることについて、通常の茶葉の生産より手間ひまをかけて作っているのが特徴だと書かれています。抹茶の値段が煎茶より高めなことが多いのも、こうした工程を知ると納得しやすいかもしれません。
粉末緑茶との違い
煎茶などを粉にした粉末緑茶もありますが、碾茶を挽いた抹茶とは原料の作り方が違います。商品の名称や原材料の書き方を見て、どちらなのかを確かめると選びやすくなります。
碾茶の産地
鹿児島の知覧茶でも
南九州市の知覧茶ブランドサイトでは、知覧茶の種類のひとつとして碾茶が紹介されています。煎茶のイメージが強い鹿児島でも、抹茶の原料が作られているんですね。
京都や静岡も
農林中金総合研究所の講演資料では、碾茶の主な産地として鹿児島、京都、静岡が挙げられています。抹茶の人気が高まるなかで、各地で碾茶づくりが注目されています。
三重の伊勢抹茶
伊勢抹茶のページでは、れんが造りの碾茶炉で製造した碾茶を抹茶にしていると紹介されています。産地ごとに作り手のこだわりがあるので、産地名を見て選ぶのも楽しいですね。
碾茶や抹茶を選ぶときの見方
ここからは、南九州市の知覧茶ブランドサイトや、日本茶業中央会の定義を紹介する茶業者のページの案内をもとにした、この記事の提案です。
原材料の表示を見る
抹茶を選ぶときは、パッケージの名称や原材料の欄を見てみましょう。「抹茶」と書かれているか、ほかの粉末茶や砂糖などが入っているかで、使い道が変わります。
用途を決めておく
お点前で飲むのか、ラテやお菓子に使うのかで、選ぶ抹茶は変わります。飲む用なら少量の缶、お菓子用ならたっぷり入った袋など、使う量に合わせると無駄が出にくくなります。
開けたら早めに
抹茶は粉なので空気や湿気、光の影響を受けやすいと言われます。開封後はしっかり封をして、早めに使い切れる量を選ぶと安心です。
碾茶そのものを味わう
お店によっては、挽く前の碾茶を茶葉として販売し、急須で淹れる楽しみ方を紹介していることもあります。見かけたら、抹茶とは違う一面を味わってみるのもおすすめです。
家で抹茶を点ててみるときのコツ
ここからは、南九州市の知覧茶ブランドサイトや、日本茶業中央会の定義を紹介する茶業者のページの案内をもとにした、この記事の提案です。
道具は少なくてもはじめられる
茶碗、茶筅、茶杓がそろうと雰囲気が出ますが、はじめはカフェオレボウルのような口の広い器と、小さなスプーンでも試せます。続けたくなったら、少しずつ道具をそろえていくのも楽しいですね。
粉をふるってダマを防ぐ
抹茶は細かい粉なので、湿気でダマになりやすいと言われます。茶こしで一度ふるってから器に入れると、なめらかに溶けやすくなります。
熱湯は少し冷ましてから
沸騰したてのお湯は、少し冷ましてから注ぐと、苦みがやわらいで感じられることがあります。分量やお湯の温度は、商品の袋に書かれている目安から試してみましょう。
茶筅は手首を前後に
茶筅を使うときは、底をこすらないように、手首を前後に動かすと泡が立ちやすいと紹介されることが多いです。最初はうまくいかなくても、何度か練習するうちに慣れていきます。
ラテやお菓子にも
抹茶はミルクと合わせてラテにしたり、焼き菓子やアイスに使ったりと、楽しみ方の幅が広いお茶です。碾茶という原料のことを知ってから味わうと、いつもの一杯も少し特別に感じられそうです。
碾茶や抹茶の保存で気をつけたいこと
ここからは、南九州市の知覧茶ブランドサイトや、日本茶業中央会の定義を紹介する茶業者のページの案内をもとにした、この記事の提案です。
光と湿気を避ける
抹茶は粉で表面積が大きいため、光や湿気、においの影響を受けやすいと言われます。開封したら、しっかり閉まる容器に入れ、直射日光の当たらない場所に置きましょう。
冷蔵庫に入れるときは
冷蔵庫で保存する場合は、出したあとすぐに開けると結露することがあります。常温に戻してから開けるなど、商品の説明に書かれている保存方法を確かめてください。
少量ずつ買う
使う頻度が少ない人は、大きな袋より小さな缶や小分けのものを選ぶと、香りのよいうちに使い切りやすくなります。
よくある質問
碾茶はなんと読む?
「てんちゃ」と読みます。
碾茶と抹茶は同じもの?
碾茶は抹茶の原料となる茶葉で、碾茶を茶臼で挽いて微粉状にしたものが抹茶だと説明されています。
どのくらいの期間覆いをする?
3週間程度、または2〜3週間程度と紹介されています。
玉露とは何が違う?
どちらも覆いをして育てますが、玉露は揉んで作り、碾茶は揉まずに乾燥させる点が大きな違いです。
碾茶はどこで作られている?
主な産地として鹿児島、京都、静岡が挙げられています。
抹茶にカテキンは含まれる?
抹茶は茶葉をまるごと粉にしたものなので、茶葉の成分をそのまま取り入れる飲み方です。含まれる量は商品によって違うので、気になる人は成分表示を確かめてください。
抹茶と粉末緑茶はどう見分ける?
パッケージの名称や原材料の表示を見ると、碾茶を挽いた抹茶なのか、煎茶などを粉にしたものなのかを確かめやすくなります。
散茶とはどんな工程?
蒸した生葉を風で吹き上げながら冷まし、蒸し露を取り、葉の重なりをほぐす工程だと紹介されています。
碾茶は覆いをして育て、揉まずに乾かした抹茶の原料
碾茶は、摘む前に2〜3週間ほど覆いをして育てた新芽を蒸し、揉まずに碾茶炉などで乾かして作る、抹茶の原料です。茎や葉脈を取り除いてから石臼で挽くと抹茶になります。玉露との違いは揉むかどうか。抹茶を選ぶときは、原材料の表示と使い道を確かめてみてくださいね。