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紅茶の作り方に「萎凋」という、見慣れない二文字。
読み方は「いちょう」です。摘んだ生の茶葉から水分を減らし、しおれさせる工程をいいます。香りを引き出す働きがあり、紅茶などの製造に使われます。 買った茶葉を家でしおらせる手順ではなく、製品になる前の仕事なんですね。
摘みたてを、あえてしおれさせる
伊藤園の萎凋の説明では、生葉を天日や日陰に干したり、専用の設備で水分を取り除いたりして、香りが出るのを促す工程としています。
あれ、葉は元気なまま、急いで乾かすほうがよさそうなのに?
ここは何を作るかで、葉の扱いが変わります。日本紅茶協会の工程図では、紅茶は萎凋から、葉を揉む「揉捻」、発酵、乾燥へ進みます。緑茶の図では、最初に蒸す、または炒る工程が置かれています。
同じ茶の木の葉でも、最初の扱いから違う。紅茶の色と香りを知りたいとき、茶葉の品種だけでなく、作る順番にも目を向ける理由がここにあります。
萎凋も最後の乾燥も、水分を減らす。でも役割は違う
水分を減らすと聞くと、最終工程の乾燥と同じに思えるかもしれません。
協会の説明では、萎凋の後に葉を揉み、酸化酵素の働きによる発酵を進めます。酸化酵素は、ここでは葉の成分が変化する反応に関わるもの。最後の乾燥では、その働きを止めます。
前半でしおらせることと、最後に熱で乾燥させて変化を止めること。水分だけを見て一つにまとめず、前後に何の工程があるかまで追うと、二つの場所を区別できますね。
時間や温度の数字を一つだけ覚えて、すべての紅茶の工場へ当てはめる必要もありません。まずは、しおらせる、揉む、発酵を進める、乾燥させる。その順をつかもう。
次の一杯は、出来上がった茶葉を見てからいれてみる
工程を知ったら、飲む前の葉も少し見てみてください。今は乾いているこの葉にも、生葉を扱う段階があったんだ、と製品になる前へ目を向けられます。
gはグラムという重さの単位です。国産のリーフ紅茶を選ぶ候補には、葉桐の「静岡産紅茶80g」があります。リーフは、ティーバッグに入っていない茶葉のタイプ。メーカーの掲載では、静岡県産の茶を原料にした、やぶきた品種の紅茶と紹介されています。
茶葉80gの袋と、同じ店のティーバッグや粉末の紅茶を取り違えないよう、商品名と内容量を一緒に見てね。飲むときのお湯や蒸らす時間は、選んだ商品のいれ方案内から確かめよう。
萎凋は、しおらせる仕事。最後の乾燥は、酵素の働きを止める仕事。難しい漢字が出てきても、前後の葉を思い浮かべると、次に読む製法の説明が少し近くなります。