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「玉露はカフェインが多いって聞いたけど、本当?」「煎茶と紅茶とウーロン茶、どれがカフェインが少ないの?」。お茶を毎日飲んでいると、カフェインの量が気になることがありますよね。
この記事では、食品安全委員会が公表しているファクトシート「食品中のカフェイン」(最終更新日:平成30年2月23日)に掲載されている情報だけをもとに、お茶4種類のカフェイン濃度の違いを整理しました。ファクトシートの表は、文部科学省の日本食品標準成分表2015年版(七訂)を出典としています。
※この記事は、公的機関が公表している数値と情報を紹介するものです。体調や持病、妊娠中・授乳中のカフェイン摂取については、医師などの専門家に相談してください。
お茶のカフェインの基本
カフェインはどんな成分?
食品安全委員会のファクトシートでは、カフェインは、コーヒー豆、マテ茶を含む茶葉、カカオ豆、ガラナなどに天然に含まれている食品成分の一つだと説明されています。カフェインの一日当たりの摂取量と主な摂取源は国や食生活によって異なりますが、コーヒーと茶の2つが最も突出した摂取源だとされています。
国内でも古くから飲まれてきた
ファクトシートの「国内の状況」では、カフェインはコーヒーやお茶として、国内でも古くから飲まれてきたと紹介されています。また、コーヒーや茶葉から抽出されたカフェインは、清涼飲料水などに苦味料などの用途で食品添加物として使われている、とも説明されています。
ファクトシートが説明している作用
ファクトシートの「ヒトに対する影響」では、カフェインには、適量摂取することにより頭が冴え眠気を覚ます効果がある、と説明されています。一方で、過剰に摂取した場合の一般的な急性作用として、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気をもたらすこともある、とされています。
お茶はカフェインを含む身近な飲み物なので、こうした情報を知ったうえで、量を意識しながら楽しみたいですね。
一日摂取許容量は設定されていない
ファクトシートでは、カフェインに対する感受性は個人差が大きいため、健康に及ぼす影響を正確に評価することは難しく、カフェインの一日摂取許容量(ADI)は設定されていない、と説明されています。
お茶4種類のカフェイン濃度
ファクトシートの表に掲載されているお茶4種類の値を、順番に見ていきます。どれも100mlあたりの濃度で、表に書かれている浸出方法でいれたときの値です。
1. 玉露
玉露は100mlあたり160mgで、ファクトシートの表に並ぶお茶の中で最も高い値です。浸出方法は、茶葉10gを60℃の湯60mlで2.5分とされています。少ないお湯に多めの茶葉を使う、玉露らしいいれ方での値だとわかります。
2. 紅茶
紅茶は100mlあたり30mgです。浸出方法は、茶5gを熱湯360mlで1.5〜4分とされています。
3. せん茶
せん茶(煎茶)は100mlあたり20mgです。浸出方法は、茶10gを90℃の湯430mlで1分とされています。
4. ウーロン茶
ウーロン茶も100mlあたり20mgです。浸出方法は、茶15gを90℃の湯650mlで0.5分とされています。
4種類のまとめ
| お茶 | カフェイン濃度 | 浸出方法 |
|---|---|---|
| 1. 玉露 | 160mg/100ml | 茶葉10g/60℃の湯60ml、2.5分 |
| 2. 紅茶 | 30mg/100ml | 茶5g/熱湯360ml、1.5〜4分 |
| 3. せん茶 | 20mg/100ml | 茶10g/90℃の湯430ml、1分 |
| 4. ウーロン茶 | 20mg/100ml | 茶15g/90℃の湯650ml、0.5分 |
同じ量の茶葉でも、お湯の量や時間が違えば濃度は変わります。表の値は「この浸出方法でいれた場合」の数字として見るのがポイントです。
1杯あたりに直して考えてみよう
計算のしかた
ファクトシートの値は100mlあたりの濃度なので、1杯あたりの量は「濃度×飲む量÷100」で目安を出せます。ここでは、表の濃度をそのまま使って計算してみます(実際の量は、茶葉の量やいれ方で変わります)。
| お茶 | 100mlあたり | 飲む量の例 | 計算した目安 |
|---|---|---|---|
| せん茶 | 20mg | 150ml | 30mg |
| ウーロン茶 | 20mg | 350ml | 70mg |
| 紅茶 | 30mg | 200ml | 60mg |
| 玉露 | 160mg | 30ml | 48mg |
量で見ると印象が変わる
玉露は濃度が高いものの、小さな器で少しずつ味わうなら、1杯あたりの量は濃度ほど大きな差にはなりません。反対に、せん茶やウーロン茶は濃度が低くても、ペットボトルや大きなマグカップでたくさん飲むと、合計は増えていきます。
一日に何杯飲んでいるかを書き出して、濃度×量で足してみると、自分がどのくらい飲んでいるのかの目安がつかみやすくなります。
抹茶やコーヒーと比べると
抹茶は1杯あたりで紹介
ファクトシートでは、参考として抹茶1杯あたりの値も紹介されています。抹茶1.5gを70〜80℃の湯70mlで点てた場合、カフェインの含有量は48mgです。抹茶そのもののカフェイン含有量は、100gあたり3.2gとされています。
抹茶は茶葉を粉にしたものをそのまま飲むので、お湯の量ではなく、使う粉の量で考えるとわかりやすいですね。
コーヒーとの比較
ファクトシートの表には、コーヒーとインスタントコーヒーの値も載っています。
| 飲み物 | カフェイン濃度 | 浸出方法 |
|---|---|---|
| コーヒー | 60mg/100ml | コーヒー粉末10g/熱湯150ml |
| インスタントコーヒー(顆粒製品) | 57mg/100ml | インスタントコーヒー2g/熱湯140ml |
| 玉露 | 160mg/100ml | 茶葉10g/60℃の湯60ml、2.5分 |
| せん茶 | 20mg/100ml | 茶10g/90℃の湯430ml、1分 |
100mlあたりで比べると、せん茶はコーヒーの3分の1、玉露はコーヒーより高い値になっています。
エナジードリンクにも注意
ファクトシートでは、エナジードリンクや眠気覚まし用の飲料(清涼飲料水)は、製品によってカフェイン濃度と内容量が異なり、100mlあたり32〜300mg、製品1本あたりでは36〜150mgと紹介されています。缶や瓶1本あたりで、コーヒー2杯分に相当するカフェインを含むものもある、とされています。
海外機関の情報も知っておこう
海外の評価機関の例
ファクトシートでは、海外の評価機関の情報がまとめられています。たとえば、欧州食品安全機関(EFSA)は2015年の科学的意見書で、妊婦を除く健康な成人では、習慣的なカフェイン摂取が400mg/日以下であれば健康リスクへの懸念は生じない、としていると紹介されています。カナダ保健省は、健康成人について一日400mg以下(マグカップ(237ml入り)のコーヒーで約3杯)を推奨している、とされています。
飲み物どうしの比較の例
ファクトシートでは、世界保健機関(WHO)が2001年に公表した助言として、紅茶、ココア、コーラ飲料はほぼ同程度のカフェインを含み、コーヒーにはこれらの約2倍のカフェインが含まれている、という内容が紹介されています。
1回あたりの量についての評価
ファクトシートでは、EFSAの意見書の内容として、健康な成人ではカフェイン摂取量が1回あたり200mg(体重70kgの成人の場合:約3mg/kg体重)であれば急性毒性の懸念は生じない、としていることも紹介されています。
また、オーストリア保健・食品安全局(AGES)の評価として、就寝直前に1回あたり100mg(体重70kgの成人の場合:約1.4mg/kg体重)のカフェインを摂取すると、一部の成人で睡眠障害を引き起こす可能性がある、という内容も紹介されています。夜にお茶を飲むときの参考になりますね。
ほかの飲み物との比較の例
ファクトシートでは、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の情報として、エナジードリンクは1缶(250ml)あたり約80mgのカフェインを含み、紅茶1カップの約2倍、コーラ1缶または緑茶1カップの2倍以上だと紹介されています。
妊娠中や子どもについて
ファクトシートでは、妊婦や子どもについても、海外の機関がそれぞれ摂取量の目安を示していることが紹介されています。ただし、機関によって数値は異なります。妊娠中や授乳中の人、子どものカフェイン摂取については、自己判断せず、医師などに相談するのが安心です。
組み合わせて摂りすぎないように
ファクトシートの「国内の状況」では、カフェインはエナジードリンク、眠気覚まし用の清涼飲料水、サプリメント、ガムなどさまざまな製品に添加されているため、こうした食品を組み合わせて飲んだり食べたりすることで、気づかずにカフェインを多量に摂取してしまう可能性がある、と注意が呼びかけられています。
カフェインの粉末やアルコールとの組み合わせ
ファクトシートでは、米国食品医薬品庁(FDA)が、純カフェイン粉末の危険性について注意喚起していることが紹介されています。純カフェイン粉末はほぼ100%カフェインで、ティースプーン1杯は約28杯分のレギュラーコーヒーに相当する、とされています。
また、米国疾病管理予防センター(CDC)の情報として、カフェインがアルコールによる機能低下を隠すことで、結果として過剰飲酒になり、アルコールによる健康への悪影響を受けやすくなる、という指摘も紹介されています。お茶割りなどを飲むときは、飲みすぎに気をつけたいですね。
お茶のカフェインのよくある質問
表の数値はどこから来ている?
ファクトシートの表の値は、文部科学省の日本食品標準成分表2015年版(七訂)を出典としています。エナジードリンクの値は、農林水産省のウェブサイトを出典としています。
他の機関でも情報が出ている?
ファクトシートでは、厚生労働省、農林水産省、消費者庁のウェブサイトでも、カフェインの過剰摂取について注意喚起がされていると紹介されています。
ファクトシートはいつのもの?
この記事で紹介したファクトシートは、平成23年3月31日に作成され、最終更新日は平成30年2月23日です。ファクトシートでは、食品安全委員会がカフェインの過剰摂取のリスクについて、ファクトシートの更新や意見交換会などを通じて情報提供を続けていくこととしている、と説明されています。
カフェインの感じ方は人によって違う?
ファクトシートでは、カフェインに対する感受性は個人差が大きいと説明されています。表の数値は目安として見て、自分の体調に合わせて飲み方を考えましょう。
お茶4種類のカフェインの違いを確認しよう
最後に、ポイントをまとめます。
- 玉露は100mlあたり160mgと、表のお茶の中で最も高い
- 紅茶は30mg、せん茶とウーロン茶は20mg(いずれも100mlあたり)
- 抹茶は1杯(1.5g)あたり48mg
- どの値も、表に書かれた浸出方法でいれたときの数字
お茶ごとのカフェインの違いを知っておくと、時間帯や気分に合わせてお茶を選ぶ楽しみが広がります。いつもの一杯を、数字と一緒に味わってみてくださいね。